ボトルレター
なかなかいろんな物事がうまく流れない。
こんな時は死んだふりをするのが一番だと思うが
それもうまくいかない。
事故以来、手首に巻いていた数珠も、いつの間にか
見当たらない。
瀬戸康史さんが好きなので出演されるものは押さえたいが、
ちと透明なゆりかごは辛いなあ。
なので見れずにいる。
バス停でぼんやり待っていたら、変なおじいさん二人組
につかまってしまった、
「あんたは悩みごとがある顔をしている。
なんとかなるから」
のようなことを繰り返し言う。
「なあ、兄さん」と隣のお兄さんに声かけながら。
お兄さんはうんうんとにこやかにうなずくだけ。
「あんたはおれの顔は見たことがあるだろう」とも。
誰やねん。
気持ちが弱っていたので、なんだかツボに入りそう。
そんなにわかりやすい顔してた?
でもなぜか、この邂逅が
とうになくなった祖父ふたりではないかと思ってしまった。
(しゃべっていた方が、父方の顔もみたことのない祖父
しずかにうなずいていたのが母方の祖父。)
お盆も近い時期。こんなことがあってもいいと思った。
とりあえず、これからはフルートにうちこもう、
わたしにはこれしかない。
***
先生さまのご指導も厳し。
ロングトーンのパターンを変えることに。高音強化を目指す。
…リズム音痴だし、そんなに指が回る方ではない
というのは自分でもわかっている。
音には自負するものがあったし、取り柄は音だけなので
ソノリテなんかは苦になるタイプではないと思って
いたのだけれど、上には上がいた。当然か。
これからも、
がんばれる私でありますように。
***
ひとつ残った卵巣が働いているか、ちょっと怪しい。
なにしろ最後のホルモン注射は6月だったのに
いまだホットフラッシュがある。先日の診察でこのことを相談したら、
基礎体温をつけるようにとのこと。
まさか今更、基礎体温などつけるようになるとは思わなんだ。
(まあ、せっかくひとつ残したのに、
とがっかりしたから、確認のため。閉経したなら
それはそれで、もうあきらめ受け入れるしかないけど、
グレーは苦手なので白黒つけたい)
気分の浮き沈みも激しくて、落ち込んだ時の底が
一段と深くなった。
やたら涙もろい。
誰にあてたのかわからない、ボトルに詰めた手紙を海に
流すみたいに、ネットの海にこの言葉を流してみる。